歯医者に行った日
歯医者に行きました。
日本に来てから8年になりますが、その間、一度も歯の検診に行っていませんでした。
正直に言うと、病院に行かなくて済むなら、多少の不調は我慢してしまうタイプです。我慢していれば、そのうち治るだろう、とどこかで思っていました。
でも、先日、歯の痛みが限界を超えました。何もしなくてもズキズキして、集中できなくて、「これはもう無理だな」とようやく観念しました。
実は、歯や歯茎に対して、あまり良い印象を持っていませんでした。
ベトナムにいた頃、三か所ほど歯医者に行ったことがありますが、どこも原因がはっきりせず、治療も中途半端なままで終わってしまいました。
だから、日本の歯医者も、正直どこかで同じようなものだろうと思っていたのです。
家から数分もかからない場所に歯科医院があります。
引っ越してきてからずっと目に入っていたのに、一度も足を踏み入れたことはありませんでした。近すぎると、逆に後回しにしてしまうものですね。
実際に行ってみると、その印象はあっさり覆されました。
診察はとても丁寧で、歯や歯茎の状態を一つひとつ確認しながら、なぜ今の状態になっているのか、どういう治療が必要なのか、そして日常でどうケアすればいいのかまで、きちんと説明してくれました。
「今の状態なら、こうすれば大丈夫ですよ」と言われたとき、体の力が少し抜けたのを覚えています。
費用も思っていたよりずっと安くて、拍子抜けするほどでした。もっと早く来ればよかったな、と、診察台の上で静かに反省しました。
8年間歯医者に行かずに過ごしてきたことを、そこで改めて思い返しました。我慢することが、必ずしも強さではないんだな、とその日は思いました。
何かを治したというより、ずっと後回しにしてきた自分に、ようやく目を向けた気がしました。
それだけで、その日は十分だったと思います。