はじめてのトレイルランの日
朝5時に起きました。まだ外は暗くて、空気も少し冷たかったです。とりあえずお腹に何か入れておこうと思って、しっかり朝ごはんを食べました。5時40分ごろ、家を出てそのまま山に向かって走り始めました。家から山まで約10km。今日ははじめてのトレイルラン。そして、ずっと心の中に置いていた小さなバケットリストを回収する日でもありました。自分の足で山まで走って、山の上で日の出を見ることです。
本当は山頂でちょうど日の出を迎えたかったのですが、山のふもとに着いた頃には、もう太陽はすでに顔を出していました。ああ、間に合わなかったなと思いました。少し悔しかったです。
でも、最初のピークまで登ったとき、まだ朝の光が山と街をやわらかく照らしていました。遠くに広がる街、重なる山の稜線、その向こうから放射状に差し込む光。その瞬間、胸の奥がじんわり熱くなりました。完璧なタイミングではなかったけれど、ちゃんと自分の足でここまで来て、この景色を見ている。その事実だけで十分でした。ああ、ひとつ叶えたんだなと思いました。

そこから、近くのピークをさらに5つ続けて走りました。今日はバックパックを持たず、水だけポケットに入れていました。こんなに身軽で山に入るのは久しぶりでした。背中に何もないというだけで、体がふわっと軽くなります。走っているというより、山の中をすり抜けていく感覚でした。
実は、出発前に少し迷いました。トレイル用のシューズを持っていないので、ランニングシューズにするか、登山靴にするか。どちらの距離が長いかを考えて、結局ランニングシューズを選びました。家から山までのロードが長いからです。それに、ここの山は300〜400mほどの低山なので、そこまで難しくないだろうと思っていました。
でも、甘かったです。福岡の山は、関西で登っていた山とは全然違いました。標高は低いのに、道がずっと荒れていました。石が多くて、細かくて、しかも滑りやすい。何度も足を取られて、久しぶりにちゃんと滑りました。途中でふくらはぎも何度もつりそうになりました。走りながら、頭の中で何千回も「次は絶対にランニングシューズで山に来ない」とつぶやいていました。たとえハイクでも、ちゃんとした靴を履こうと本気で思いました。
それでも、不思議と嫌ではなかったです。滑って、足がつりそうになって、後悔しながらも、体はずっと前に進んでいました。ひとつひとつのピークを越えるたびに、気持ちが少しずつ軽くなっていきました。
最後のほうは、ただ風の音と自分の呼吸だけを聞いていました。背中は軽くて、視界は広くて、体は疲れているのに、どこか自由でした。ずっと「やってみたい」と思っていただけのことを、ちゃんと今日の自分が実行している。そのことが、思っていたよりうれしかったです。
日の出にぴったりは間に合いませんでしたし、靴の選択も失敗でした。でも、自分で決めて、自分で動いて、山まで走って、朝の光を浴びたこと。それだけで今日は十分です。
ひとつバケットリストをチェックできました。派手ではないけれど、自分にとってはちゃんと意味のある朝でした。
